吃音者(ことばの不自由な人)

1 吃音者(ことばの不自由な人)の割合
日本では吃音者(以下、ことばの不自由な人ということにします)の割合は人口の約 0.7%から1% いるといわれています。アメリカやヨーロッパの国々、中国などの調査でも約1%で、言語の違いには関係なく、人類に共通しているようです。
これは100人に一人がことばの不自由な人であるということになります。しかし、多くの人は身近にいることばの不自由な人には気づいていないように思います。

2 吃音の原因はよく分かっていないとわれていますが
吃音(きつおん)とは、発音がつまったり、同じことばを繰り返すことをいいま。人類の歴史で、旧約時代(約5000年前)の記録にもあり、新約聖書にもキリストがことばの不自由な人を治したという話しがあります。
吃音の原因はよく分からないといわれています。恐怖症の一種やノイローゼ(神経症)などが原因だろうという人、幼児期に母親との関係が原因しているという見かたをする人、またことばを話す脳の機能が十分に働かない何らかの障害があるという人もいます。
吃音は難しい障害あるいは病気かも知れません。日本では民間の治療機関は多数あるようですが、公の病院や研究機関で治療やリハビリの研究に取り組んでいる人は数は少なく、おそらく10本の指に収まるほどしかいません。吃音者は障害者として認定されていないので、医療の対象ではないから、ということでしょうか。医療やリハビリの対象としている国々では公の研究機関や大学の研究者が日夜研究に励み、その成果を発表した論文をよく見ます。(論文は年間に数百にも及んでいます。)

3 ことばが不自由であることは障害ではないといいますが
障害者の種類は法律で決められています。ことばの不自由な人は、見た目では異常が無いので身体障害者ではない。判断力や理解力が劣り、社会生活が難しいこともないので精神障害者でもない。体の具合が悪くて常に治療を続けなけれならないこともないので、内部障害者でもない。というのです。 しかし、社会生活で、人と必要なコミュニケーションができないで困っています。アメリカやヨーロッパの先進国では、障害者として、公のリハビリー機関や病院(クリニック)で医療を受けることができますが、日本では医療やリハビリの対象外になっています。(2、3の身体障害者のリハビリーセンターで吃音に関心のある言語療法士がリハビリーを行なっています。また民間では有能な言語療法士が経営しているクリニックがあります。)

4 ことばの不自由な人には「健康で幸福な生活を送る権利」が認められないのでしょうか
ことばの不自由な人は、人前で話すことを避け、人と話す必要のない職業を選び、能力があっても人前で話さなければならない責任のある役職を捨てて、転職をせざるをえなくなったという話しはよく耳にします。
また、ある高校生は中途退学し、家にこもって無気力な生活を送っていると悩んでいる親の話も聞きました。
何よりも悲しいのは、ことばの不自由な人は人に知られないように一人で治そうと努力し、何十万という費用を払い、あらゆる民間の治療所や祈祷師を訪れたが治らなかった。その上、努力や信心が足りないから治らないとまでいわれた、と述懐していたことばの不自由な高齢者の話でした。
身体障害者に関する法律では障害者ではないといいますがが、ことばの不自由な人は自分が感じている障害を治そうと悩み、大きな犠牲を払っています。ことばの不自由な人には「健康で幸福な生活を送る権利」は保証されないのでしょうか。


5 こばの不自由な人たちはいつまで忍耐しなければならないのでしょうか
ことばの不自由な人の大会(吃音者大会全国)で、ある言語療法士養成学校の校長先生の話しに、今の医療制度の矛盾を感じました。
「吃音療法を専門に勉強しても就職先がないから、学生には吃音ではない別な言語療法の科目を選択するように薦めている。」というのです。
話の意図は吃音は医療の対象になっていない。したがって、医療機関には吃音を専門に診療する医師がいないので、吃音療法を勉強しても役に立たない。医療機関に吃音専門の医師や言語療法士を置くように、吃音者は関係機関に働きかける必要があることを強調しているのだろと推測できます。(注:言語療法士養成機関では言語障害の概論として吃音に関する基本的な知識や技能は指導しています。)
公の医療機関には、吃音の診療科目と医師を置き、ことばの不自由な人の相談と治療やリハビリを行うことができないものだろうか。民間の吃音クリニックには、自費でアメリカへ渡り、吃音に関する言語療法の資格を取ってきた有能な専門家がおります。このような専門家が公の医療機関で治療にあたることができないのだろうか。
アメリカを始めとして、先進国でやっていることを日本ではなぜできないのでしょうか。
こばの不自由な人たちは、「健康で幸福な生活を送る権利」を受けるために、いつまで忍耐し、いつまで待てばいいのでしょうか。

上記の内容は次の出版物を参考にしました。

[日本の吃音のクリニックに関するホームページはここをクリックすると接続します]

[アメリカの吃音のクリニックに関するホームページはここをクリックすると接続します]

「吃音者の生活と医療に関する請願」の署名について


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